母娘|ぬくもり1-2

 誰もが、老いることを避けては通れない。その先に待っている長い旅の終着駅もだ。駅にはいくつものホームがあって、のんびりとした各駅停車で到着する者もあれば、あっと言う間に人生を駆け抜けて来た超特急で到着する者もある。満足のできる旅路であったのか、不満と後悔ばかりが残る旅路であったのか。良き家族や仲間に恵まれていたのか。何かを成し得た、人に胸を張れるような生き様であったのか。ホームに降り立って、ふと…

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夏の日|ぬくもり1-1

シーズン1  焦げる。射刺すような真夏の太陽が、駅ビルを出た人々に襲い掛かっていた。焼けると言うよりは、まさに肌が焦げてしまうと感じるほどの陽射しの強さなのだ。眩さと共に熱風が押し寄せ、じんわりと噴き出す汗が背中に張り付いた。地表は50度を超えているに違いない。5分も経たないうちに冷房が恋しくなって、10分も歩いた頃には等しく皆の顔が歪んでいる。さすがに街行く人の姿はまばらだが、それでも駅…

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