感涙|ぬくもり3-21

 むくつけき男たちの、殺伐としたヨットハウスの一日が終わっていた。夜明かしで島の警戒にあたる数名以外は、ぎっしりと二段ベッドの並んだ地下のタコベヤで、全員が競うように大きな鼾をかいている。彼らのために用意されている娼婦たちも、かなりの酒量を呷って、それぞれの個室で深い眠りに就いていた。黒岩武雄は、三日月形に囲まれた砂浜の照明を落とさせて、独りでその浜の南の端にきたのだ。目の前には、漁火すらない漆…

続きを読む