炎|ぬくもり3-22

 緞帳の降ろされた、大広間の舞台の上が、菊川由莉のアトリエ兼作業場となった。横幅が8m、高さが3mもの作品に挑むのは、さすがの画伯も初めてなのだ。特注の巨大な用紙は、すでに表装屋に依頼した。だが、彼女のあみだした特殊技法を用いても、描き切れるかどうか、正直なところ、まだやってみなければ分からない。それでも引き受けたのだ。なるほど、菊川由莉の男前の本領発揮であった。高い壁ほど、乗り越えずにはいられ…

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