ワインの味|ぬくもり3-24

 ぐでんぐでんに酔っ払った客たちが、一人また一人と、右へ左へ体をふらつかせながら島から出ていった。今夜も、カウンターの中は、大量の皿や小鉢、ジョッキやお銚子などの洗い物で埋め尽されている。女将の島野香織は、看板の照明を落として暖簾を仕舞った。 「何か食べる?」 いつものカウンター席で、一番奥に座る永井譲二に声をかけたのだ。 「ああ。」 「焼きうどんでいいかい?」 「少な目でいい、頼む。…

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