花吹雪|ぬくもり3-41

 夜が明けようとしている。鬼ヶ島は、原型をとどめないまでに破壊し尽され、公海上に浮かんでいた闇商人の客船も深海の改定に沈んで突き刺さっていた。どちらも悪党どもに生存者はない。だが、あれほどの大爆発を起こしていながら、機動部隊の側には殉職者が出なかったのだ。白竜浜は、束の間の静けさを取り戻していた。時を経ずして、遺体の回収と現場検証が島の内外で始まるだろう。マスコミも、大挙して押し寄せてくるはずだ…

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突風|ぬくもり3-40

 目当ての渚にメールを送信した男たちは、茨岬の同じ場所に黒いワゴン車を停めて待ちかまえていた。車内に姉がいると見せ掛け、同様に薬を嗅がせて意識を奪う。そのまま陸路で連れ去るつもりでいるのだ。そろそろ洋上の取引が、須藤の手で大詰めを迎えているはずだった。鬼ヶ島も、想定通り、夥しい数の機動部隊に囲まれている。もう黒岩は、この世には存在していないだろう。須藤会とその一派の、我が世の春が訪れようとしてい…

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銃声|ぬくもり3-39

 美崎凪乃は、すぐにそこが海の上であると気付いた。目覚めたのが、豪華な造りの船室の中だったのだ。体の自由を奪われることなく、大きなベッドに寝かされていた。何が起きたのかは分からない。しかし、真っ先に頭に浮かぶのは、安否の不明な黒岩武雄のことであった。外から施錠がされている。今はただ、彼の無事を祈る以外にはなかった。 「あなたは!」 最初に現れたのは、まさかに山本茜であった。 「ここで逢えて…

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