涙の自動改札|ぬくもり3-42

 人の恋路に踏み込んで、興味本位でもの申すほど、葵も画伯も野暮ではなかった。だが、小紅螺のことともなれば、やはり見て見ぬふりもできない。白竜行きの電車内で、あんなに仲睦まじかった二人が、誰の目にも余所余所しく見えていた。帰りの電車は、彼女たち二人や美玲と一緒に、四人掛けの座席に腰掛けてきたのだ。友則とは離れた位置で、彼の隣には翔太が座っていた。何があったのか。否、何もなかったことが原因なのか。遠…

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